ピーカンに晴れ渡った日というのは、実はあまり好きではない。
紫外線を含めて、様々なアレルギーがありそれが皮膚に一番強く出るからだ。
物心ついたとき、私のアトピーはけっこうひどいものだった。
両肘、両膝の内側と耳の付け根は、長年のステロイド軟膏使用のせいで黒ずんでいるし、、同じ場所が未だにストレスがmaxになり、そのことに気付けないでいるときや疲れがたまったとき、空気が乾燥した日が続くと激しい痒みと引きつるようなピリピリ感に襲われることがある。
それでも年間を通じて温暖で、湿った風が吹くこの南の町に越してきてからは随分と軽くなったと思う。
雨が降る直前の湿った地面の匂い
この匂いが好きだ。
私は、雨が降る直前のこの匂いを嗅ぐと、酒が呑みたくなる。
この匂いは、勝手に「でんでんむしの匂い」と呼んでいるが、
この「でんでんむしの匂い」がしてくると、ざわざわと心が騒ぎ、居ても立ってもいられなくなるのだった。
確か、その日はどピーカンに晴れていたが、夕方になって天気雨がドバっと降りだし、ほんの数分で止みまた肌が焦げ付くような西日が照りつけるような、夏によくある天候の日だった。南国の夏の日暮れは遅い。20時まえくらいに西海岸側のビーチへいけば、水平線に沈む大きなオレンジ色の夕陽を眺めることができる。そして、熱を持った地面の上を、気持ちの良い風が通り抜けていく頃やっと、夜の顔がちょろりと覗きだす。
こちらに来て数年が経ったが、私は相変わらず定職には就けず、産休代理の派遣で職場を転々としていた。
10代の頃にふざけて取った簿記の資格、車の運転免許(田舎育ちは18歳になると同時に免許を取らなければ、就職もできない)友人がインストラクターをしていたパソコン教室へ通いパソコン関連の資格をいくつかイヤイヤとったくらいで、履歴書に胸を張って書ける様な資格もないいい年の女がよその土地で生きていくのは決して楽じゃなかった。
(インストラクターにも色々あり、エンジニアクラスのインストラクターであっても友人の働いていた教室ではノルマがあった。何人か勧誘して、そのうち何人かはいくつかの資格試験に合格させなければならないという)
派遣先で知り合った美由紀は、私より4つ年下だったけれど、とても落ち着いた雰囲気の女性だった。
県外から一年間出向で来ていたメーカーのエンジニアたちがその派遣先には200名ほどいた。全員が男性だ。若いのから定年間際まで、よりどりみどり。出入りの業者さんたちも皆男性だった。一年間の期限付き、という足かせがあったせいだろうか?若い派遣の女の子と出向で来ていたエンジニアとの不倫コイバナが絶えない、そんな職場だった。
その職場で、私と美由紀の2人だけが、女性スタッフの中で喫煙者だったせいもあり仲良くなったのだった。
エンジニアの人たちはこちらに居る間特別手当がつくので、派遣の女性スタッフを誘ってよく就業後に呑みに行っていたらしい。
らしい、というのは、私と美由紀は、ほとんど誘われたことがなかったからだ(笑)
後から言われて知ったのだけど、私と美由紀は、人を寄せ付けないような雰囲気を醸し出していてとても誘いの言葉をかけられるような雰囲気ではなかったそうだ。同じ派遣の若い女の子たちからはよく誘われて呑んでたけどなぁ?まぁ男性が声をかけたくないような女ふたりだった、ということは間違いないと思う(笑)
美由紀と私は自宅がわりと近所だったこともあって、ふたりでよく呑んだ。
その日、よく行っていたチェーンの居酒屋はレディスデイで、料理もドリンクも(酒ボトルも)半額だという。私たちは、平日だというのに、お互い二日酔いだというのに、また西日が完全に沈む頃坂ノ下にある居酒屋へ繰り出したのだった。
レディスデイだけあって女性客が多い。
一度帰宅してシャワーを浴びてから出かけた私たちが入店した頃は、すでに満席に近かった。
それでも2人だけだったので小さなテーブル席に座ることができ、座って店員の女の子がおしぼりを差し出すと同時に二人揃って口を開いた。
「とりあえず生!」
ぷ!っと顔を見合わせて笑う。
酒好きなところも、酒の肴の好みも、呑むペースもよく似ていた。
続く・・かも・・?
紫外線を含めて、様々なアレルギーがありそれが皮膚に一番強く出るからだ。
物心ついたとき、私のアトピーはけっこうひどいものだった。
両肘、両膝の内側と耳の付け根は、長年のステロイド軟膏使用のせいで黒ずんでいるし、、同じ場所が未だにストレスがmaxになり、そのことに気付けないでいるときや疲れがたまったとき、空気が乾燥した日が続くと激しい痒みと引きつるようなピリピリ感に襲われることがある。
それでも年間を通じて温暖で、湿った風が吹くこの南の町に越してきてからは随分と軽くなったと思う。
雨が降る直前の湿った地面の匂い
この匂いが好きだ。
私は、雨が降る直前のこの匂いを嗅ぐと、酒が呑みたくなる。
この匂いは、勝手に「でんでんむしの匂い」と呼んでいるが、
この「でんでんむしの匂い」がしてくると、ざわざわと心が騒ぎ、居ても立ってもいられなくなるのだった。
確か、その日はどピーカンに晴れていたが、夕方になって天気雨がドバっと降りだし、ほんの数分で止みまた肌が焦げ付くような西日が照りつけるような、夏によくある天候の日だった。南国の夏の日暮れは遅い。20時まえくらいに西海岸側のビーチへいけば、水平線に沈む大きなオレンジ色の夕陽を眺めることができる。そして、熱を持った地面の上を、気持ちの良い風が通り抜けていく頃やっと、夜の顔がちょろりと覗きだす。
こちらに来て数年が経ったが、私は相変わらず定職には就けず、産休代理の派遣で職場を転々としていた。
10代の頃にふざけて取った簿記の資格、車の運転免許(田舎育ちは18歳になると同時に免許を取らなければ、就職もできない)友人がインストラクターをしていたパソコン教室へ通いパソコン関連の資格をいくつかイヤイヤとったくらいで、履歴書に胸を張って書ける様な資格もないいい年の女がよその土地で生きていくのは決して楽じゃなかった。
(インストラクターにも色々あり、エンジニアクラスのインストラクターであっても友人の働いていた教室ではノルマがあった。何人か勧誘して、そのうち何人かはいくつかの資格試験に合格させなければならないという)
派遣先で知り合った美由紀は、私より4つ年下だったけれど、とても落ち着いた雰囲気の女性だった。
県外から一年間出向で来ていたメーカーのエンジニアたちがその派遣先には200名ほどいた。全員が男性だ。若いのから定年間際まで、よりどりみどり。出入りの業者さんたちも皆男性だった。一年間の期限付き、という足かせがあったせいだろうか?若い派遣の女の子と出向で来ていたエンジニアとの不倫コイバナが絶えない、そんな職場だった。
その職場で、私と美由紀の2人だけが、女性スタッフの中で喫煙者だったせいもあり仲良くなったのだった。
エンジニアの人たちはこちらに居る間特別手当がつくので、派遣の女性スタッフを誘ってよく就業後に呑みに行っていたらしい。
らしい、というのは、私と美由紀は、ほとんど誘われたことがなかったからだ(笑)
後から言われて知ったのだけど、私と美由紀は、人を寄せ付けないような雰囲気を醸し出していてとても誘いの言葉をかけられるような雰囲気ではなかったそうだ。同じ派遣の若い女の子たちからはよく誘われて呑んでたけどなぁ?まぁ男性が声をかけたくないような女ふたりだった、ということは間違いないと思う(笑)
美由紀と私は自宅がわりと近所だったこともあって、ふたりでよく呑んだ。
その日、よく行っていたチェーンの居酒屋はレディスデイで、料理もドリンクも(酒ボトルも)半額だという。私たちは、平日だというのに、お互い二日酔いだというのに、また西日が完全に沈む頃坂ノ下にある居酒屋へ繰り出したのだった。
レディスデイだけあって女性客が多い。
一度帰宅してシャワーを浴びてから出かけた私たちが入店した頃は、すでに満席に近かった。
それでも2人だけだったので小さなテーブル席に座ることができ、座って店員の女の子がおしぼりを差し出すと同時に二人揃って口を開いた。
「とりあえず生!」
ぷ!っと顔を見合わせて笑う。
酒好きなところも、酒の肴の好みも、呑むペースもよく似ていた。
続く・・かも・・?
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