てぃーだブログ › 覆面母さん、今日も行く! › 2008年07月01日

仔猫ねこねこ

2008年07月01日

Posted by 茶トラン at 19:43Comments(3)TrackBack(0)覆面母さんの日常
私は両手に仔猫を抱えて南の島へやってきた。

仔猫を抱えて、右も左もわからず身動きできずにいた。

仔猫たちはまだ、自分で自分のエサを確保する術を知らない。

ずっとガラスの檻の中で暮らしていた私は、初めての外界が怖くてしかたなかった。



常に牙を剥いていた。

仔猫たちを守らねば。
仔猫たちにひもじい思いをさせないように。
仔猫たちにはわたししかいないんだ。



両手にいっぱいの荷物を抱えきれなくなったとき、知らないよそのおとなが助けてくれた。


わたしにとって世間の大人とは、自分に害を及ぼす敵でしかなかったのだが、そうでもない大人もいるのだと初めて知った瞬間だった。



まぁまぁまずその両手いっぱいの荷物を降ろしなさいよ

んで、水飲んでエサ食ってとりあえず今夜は眠りなさいよ

ほらほら、そんな怖い顔ばっかしてるから仔猫たちも怯えてるさ~

明日には明日の風が吹くさ~ね♪



台風の夜、激しい風雨に怯える仔猫たちを両脇に抱え、その小さな寝息を子守唄代わりに

丸くなって気持ち良さそうに眠る仔猫たちの姿を見ながら、生まれて初めて

外敵に怯えずにぐっすり眠った夜。



今でも嵐の夜は、仔猫たちを両脇に抱えてぐっすり眠る。

わたしたちにとって嵐の音は、心地よい子守唄。

嵐が外敵から守ってくれる。



目が覚めると、信じられないくらいに濃い青空が広がっていた。

木の影も、嵐に負けずに踏ん張っていたアカバナも、緑も、ありえないくらいに色が濃い。



くらくらするような南国の空の下、私は外敵から身を守る自分達だけの寝床と餌場を確保した。



生きていける。

檻の中から出ても、親子で生きていける!と、確信した。


小さな餌場兼寝床で、仔猫たちは自分自身の足で外を歩くようになっていった。


今は、仔猫たちが帰ってくるのをただ待っているだけ。

もう両脇に抱えておくことはできない

両手に仔猫を抱えて、世界中の全てに牙を剥いていた私はもういない。