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日常の中

2008年09月23日

Posted by 茶トラン at 16:23Comments(2)TrackBack(0)覆面母さんの日常
先日、たまたま元彼と出くわしてしまったことがあった。

うちのアパートには、住人くらいしか知らない狭い路地があって、そこは夜は真っ暗で足もと悪くて、雨が降るとグダグダになってさらに足元悪くて、住人でもめったに通らないところ。

その日、私は友だちと約束をしていて出かけようとしていた。
もう外は完全に暗い時間。
そんな時間にその真っ暗な通路(階段を降りてすぐ斜め前にある)から人がぬっと出てきたら、ましてやその人物が一ヶ月前に別れた恋人だったら・・・ただでさえビビリん坊の私が驚かないはずがない・・・。


「あいっ!びっくりしたー!!!!」

びっくりしている私を見て彼も驚く。
まさかこのタイミングで私が階段を降りてくるとは思わなかったのだろう。

でも・・・ここは自分ちだから、いつ何時に外に出ようと私の勝手だよなぁ(笑)


なにやら彼の部屋に忘れ物が(化粧品やら冬のパジャマやらちまちましたもの)あったらしく、それをわざわざ届けに来たらしい。こんなもん捨ててくれればいいのに・・・・と思うが口には出さずにおく。

どうやら2人で買った宝くじもわざわざ換金して持って来たらしい。
ご丁寧にレシートも入っていた。まめな人だなぁ、と感心した。

「もし当たっていたら返済の足しにしてね」

と、手紙を添えて別れた直後に私が郵送したものだった。

彼の自宅の正確な住所は、ネットで簡単に検索できた。
お金のことで後々あれこれ言われるのだけは耐えられないなぁ・・・
どんなに金持ちでも、別れ際になると金のこと言い出すやつって意外といるからなぁ・・・

何よりも彼ならたとえ数千円のことでも、永遠にグチグチ言いそうだなぁ・・・と思ったからだった。


数日後、無事届いたとメールがあり、それで終わったやれやれ、と胸をなでおろした。

その後はもうグチりたいだけグチり、呑みたいだけ酒を呑み、時間は全て自分のために自由に使えるという天国のような生活を満喫していたので、「現在の彼がどうしているのか」ということにはまったく興味も湧かず、日々を過ごしていた。

そんなときに真っ暗な路地からヌッと現れる元彼・・・(苦笑)

夜は気味悪いし、びっくりするからやめてくれよ・・・

っつか、別れて一ヶ月も経った女のことなんて忘れてると思うのが普通でしょ。
どうでもいいものだから捨ててくれと前にも言ったはずなんだけど・・・


「いやなんか、わざわざごめんね。ありがとうね」

普通にお礼を言い、手を振ってさようなら。
階段を昇って自宅に戻り、荷物を置いたらすぐに友人と待ち合わせの場所へ向かった。

途中、自宅近くのコンビニでタバコを買おうと思ったら、彼がいた。

そこで宝くじの当選金を返そうとしたのだけど、「いらない!」と言って彼は受け取らずに乙女のように走り去ってしまったので、ありがたくその日の呑み代として使わせてもらった(笑)実際には片道のタクシー代にしかならなかったが。



別れてしまっても同じ市内に住んでいれば、今後もどこかで偶然出くわしてしまうことはあるだろうな、ま、しょうがないよなぁ、くらいにしか私は思っていない。実際、通勤の途中などに数回見かけたり、すれ違ったりしたことはあったし、そういうのも覚悟して別れを決めていたから。

彼にもらったものを見て胸が痛む・・・とか、2人で行ったところへ行ってちょっとおセンチな気分になる、などという可愛らしい気持ちはどうやら持ち合わせてないようで、どうにも理解できない・・・。いつも一緒に行ってたそば屋とか居酒屋とか、自分もお気に入りだったところは、一人でも友だちとでも関係なく行ってるし、これからも行く。


行きたいときに行きたいところへは行く。




その後、1日置いて深夜にメールを送ってくる彼。

顔を見たくなかったのに会ってしまってどう対応していいのかわからず云々・・・

そんなかんじの内容だった。

会いたくないんだったら来なけりゃいいのに・・・変な人だ・・・
また身もふたもない考えが頭をよぎる・・・・・


お互いの気持ちがどうしようもないくらいにすれ違ってしまって別れることになったんだから、一ヶ月も経ってからパジャマやら化粧品やらどうでもいいものをわざわざ家まで届けにくるなんて、私は思いつきもしない。

しかし彼にしてみれば、別れた女のものが部屋にあるのは不愉快なことだろうし、目の前から消えて欲しいと思っただけのことで深い意味はないだろうと思うと安心できた。あれこれ深読みして行動するような人でもなかったしね。


それよりも、いきなり暗闇から現れた彼を見ても、自分の中でそれほど波風も立たなかったのが意外だった。
もうすっかり彼の存在は「懐かしい人」になってしまっていて、完全に終わりになってしまったんだなぁ・・と思った。もうちょっとネチネチグチグチ続けてみようかな、と思っていたけど(笑)、実際に会ってみたらすでに懐かしい人で、たくさんあった嫌な思い出も楽しい思い出も、すべてがすごく遠く感じる。


今はただ、「お互い幸せになろうね」 という気分です。


執念深いこの私が・・なんてこったい・・・・((笑)

まぁでもこの数ヶ月、


自分が考えうる限りの嫌な女に徹底してなってやる!

と考え、実行してみたけど、もう疲れて飽きてきた。ってのがほんとのところです。ハイ。

※あんたは素のままで充分嫌な女だよ!というツッコミが聞こえてきそうです※


少し仕事が早く終わった日、わたしは運よく車で出勤していたので、迷わずチラシを握り締めて職場近くのスーパーの特売にダッシュ!突撃した。

お目当ては特売の

「卵1パック98円!お一人様1パック限り!300個限り!」


ほぼ毎日使う「卵」。値段は上がって辛いけど、やっぱりないと困る。
納豆に入れてまぜまぜ。お弁当には定番の卵焼きとしてほぼ毎日使用。それ以外にもなにかと手抜きが多い我が家では卵を使う料理は多いので、やっぱり買わずにはいられない。


日曜朝市のほうがお得なんだけど、自宅近くにある小さなスーパーが日曜朝市に出す卵は「MSサイズ」でちょいと小ぶりなのだ。しかし、この平日に特売をするスーパーの特売卵は「Mサイズ」なのです。

同じ値段なら、ほんの少しでも大きいほうが得した気分になるのがおばちゃん魂ってもの(笑)



ふだんはバス通勤をしているけど、雨が降って寝坊したのを言い訳に、のんびりぎりぎりに車で出勤していたことを、神様に感謝した。定時より30分遅れで車を出し、特売をしているスーパーの駐車場へ。市内ではかなり広めの駐車場だと思うけど、さすが特売の日だけあってかなり混雑していた。

車停めてる間に卵売切れてしまうかもなぁ・・・と半分はあきらめ気分で駐車場にいると、目の前の車がすーっと出るのが見えた。神様、ありがとう!と心の中で叫び、一瞬のすきをついて空いた駐車スペースに車を停めた。ラッキーざんす♪

ふだんダラダラ歩く私が、小走りにダッシュ(笑)
店内に入るとすでにすごい人だかりで、ワゴンに積まれた特売の卵は、残り少なくなっていた。
しかし、まだ残っていた。またまたラッキー♪

前回、残業がない日に家の近くのスーパーに行ったら、もう駐車場に入るのに大行列が出来てしまっているような状態で、いったん自宅に車を置き、走って徒歩10分ほどのそのスーパーへ行ったのだが、お一人様1パック限り!のその卵は売り切れていた。自宅近くまで30分のロスを心から悔やんだ(涙)

その苦い経験を生かして(笑)、特売の日に運よく早く終業できたら、絶対に職場近くの店舗へ走ろう!と心に決めていたのでした。




特売の卵をゲットし、ふだんより安く大好きな豚肉や魚を買うことができてかなり上機嫌なわたし(笑)上機嫌なまま店の外に出ようとしたら、店内で入り口でとある知人に会ってしまった。

会ってしまった、という表現しかできなかったのはなんでだかわからない。
その知人と同じ職場にいた数年前、その知人からは不必要なまでに親切にしていただいていた記憶がある。だから感謝もしているけれど、時々なんともいえない重苦しさを感じていたこともあって、人様の親切心に対してそんな気持ちを抱いてしまう
自分が許されないような気がして、やましいというかなんというか・・・とにかく自分からは連絡出来なかった。

いかに自分が小心者かを改めて思い知る瞬間(苦笑)


で、その知人は、「数年前の職場関係の知り合い」というだけで友だちというわけではないので私の脳みその中では「知人というカテゴリ」の人であった。しかしその知人の中では、本当かウソかはわからないけれど、私も「友人」というカテゴリの中に入れていてくれたらしい。会わなかった数年間ずっと・・・・

私がその職場を退職するときに、お互いのメールアドレスも電話番号も交換していたのだけど、なぜだかその知人に対しては、自分から連絡を取ろうという気持ちになったことはなくて、いつの間にか数年が経ってしまっていたようだ・・。知人からは呑み会やドライブの誘いが年に数回、たま~~にあったのだけど、たまたま都合があわなくて結局ご一緒したことはなくて・・・。
知人と同じ当時の職場の他の人たちとは連絡を取り合って、ときどき交流もしているんだけど・・・



もしかして、こういう状況のことを


「縁がないんだろうねぇ・・・」  


というのかしら・・・?とふと思った。


自分と縁ある人っていうのは、お互いの住む場所や職場が遠く離れてしまって会えなくなってしまっても、その人の存在さえも忘れきってしまっていて、連絡さえも取れないような状況が続いたとしても、何かささいなきっかけがあって、なぜか再度巡り合うことができ、そのときは以前よりも深いお付き合いをできるような関係になれてしまう・・・

お互いに特に探し回ったりしていなくて、日常に追われてその人のことを思い出すようなこともなくても、気がついたら偶然が重なり必然となっていて、今また以前のようなお付き合いを出来るようになってしまった・・・・というような経験を何度かした。


おかげで「人との縁」の大切さも少し考えられるようにもなった。



いい年して私は、自分の好き嫌いさえも自覚するのが難しい人間だ。

「なんとなく違和感が・・・」

という気持ちを持っていても、それが不愉快な感情であるとか、ほんとはその人を嫌っているのだとか、心と脳みそできちんと認識できるまでにかなりの時間を要する。


また逆に、


「なんとなくあの人は気になるんだよなぁ。気付いたらその人のことを考えてる。いつの間にか目で追ってしまっている・・私、もしかして頭の病気なんじゃないだろうか・・」

というようなことがあっても、それが 「その人を好きという気持ち」 なんだと気付くまでに、数ヶ月~数年かかるなんてのはよくある。これは対象になる人物が男でも女でも、関係なく、だ。


「私、実はあの人の事好き(または、嫌い)だったのかもしれないなぁ・・」


何ヶ月も経ってふとそう思うことがしょっちゅうある。



己の感情もきちんと認識することができて、自分は何が不愉快で何に対して心地よいと感じるのか?を知らなさすぎだなぁ、と優しい友だちといっぱい話してみて気付くことができた。この通り、おつむが弱く周囲の人たちから気の毒がられてしまうような私なのに、数少ないわたしの友だちは皆、優しすぎるくらい優しいやつばかりなので、どれだけ自分が恵まれているか・・・ということにも遅いけど気付くことができた。


客観的に自分を見られなくて、脳みそ足りなくて、イタタタタ!なわたしですが、これからもよろしくお世話されるつもりでおりますので、どうかどうか末永くよろしくお願いいたしますです。

うーとーとーなんまいだ~(-人-)



甘えてみる

2008年09月14日

Posted by 茶トラン at 17:43Comments(0)TrackBack(0)覆面母さんの日常
数少ない女ともだちに、最近ずっと甘えている。

心地よい。
たわいもない話をしながらだらだらと酒を呑み、
時折終わりのないグチも混ぜながら発散する。

女ともだちはうんうんと聞いてくれる。

「ごめん・・またグチってしまった・・せっかく呑んでるのにごめん」

というと、女ともだちが言う。

「あんた、やっとグチ言えるまでになったんだから今のうちに吐き出しな!言える時に言っとかないとダメだよ!」

ありがたくてうれしくて、最近はずっと甘えっぱなしだ。

彼とはこういうくつろげる時間をほとんど持てなかった。

付き合い始めて間もない頃、彼はうそをついた。
小さなウソは、いくつもあったが、特に印象に残っていたことがいくつかある。
きっと彼はもう、うそをついたことさえ覚えてないだろうな・・・と思うと、なんだかアホらしい。

数年前に死んだ父親の借金が数百万あって、それをあと2年くらい支払わなくちゃいけない。

そのうちの数十万は、現在の職場から借りたもので、それをまとめて返したい。
残り10万を一気に返したいから、私にサラ金で借りてくれないか、という話だった。

私は、返せるかどうか解らないお金を借りる勇気などはない
それだけの稼ぎもないから・・・

と、正直に言ってお断わりした。

彼は、

「これを一気に返せればもっと呑みに連れてってあげられるんだよ」

と言ったが、別にお金がなければ外で呑まなくたっていい、どうしても外で呑みたいときは割り勘でいいし、いつもみたいにあなたの家で2人で呑んでも楽しいじゃん?と私が言うと、そうだね、とそれ以上は強く言わなかった。

お金がないのに呑みに行きたいと言うほどアホじゃないつもりだったけど(笑)
ないならないでがまんすればいい。そういうときもある。

借金があるのは知っていた。
だからぜいたくはさせてあげられないけど、そのかわり大切にするから・・・
と言っていた。
借金の内訳は、数年前に死んだ父親が残したもの、と、別れた妻が引き取っている娘のための養育費としてちょこちょこと借金したものが積み重なってしまった、と言っていたのだが、それはまったくのうそだということがわかってしまった。

どういういきさつで知ってしまったのかは省くが、彼の父親が死んだのはもう10数年も前のことだということ、今の借金は父親が残したものなどではなく、彼自身がバクチや飲み屋通いで作った借金だということ、それを彼の元妻がいっしょうけんめい働いて途中まで返済していたこと、彼の元妻が借金のために必死に働いている間も彼はバクチも呑み屋通いもやめられず、やむなく小さな娘を連れて離婚しなければならなくなったこと・・・

そして、その後彼は、個人民事再生法に基づき借金の減免を受けることができ、今はまじめに働いて返済もできているようだからやっと安心できる、と元妻が言っていたこと、などなどいろんなことも解った。
私自身も離婚経験があり、その理由を他人にわかるようにうまく話せないので、彼にも元妻と別れた理由をあまり聞いたことはなかった。が、彼は自分のことにもっと興味を持って欲しい、もっといろいろ聞いて欲しいという人だったのである日聞いてみた。

が、彼の口からは、元妻にだけ非があるような言葉しか出てこなかった。
どちらが本当のことなのかは私にはわかりかねるが、たびたび彼の口から出る小さなうそや矛盾の数々、そのことさえ忘れてしまって新たにうそを重ねる彼の姿を見ていれば、どちらが信憑性があるかどうか判断できてしまう。

色々あって別れた元妻のことを良く言う人は少ないだろうけど、こういう言葉を聞くと冷める。

「私も別れた後はこういうふうに言われるんだろうなぁ・・なんかなぁ・・・」

とその頃から思っていたのかもしれない。

私は、どんなに苦しくても借金だけはするまい、と決めている。
今のところは毎月ギリギリでも借金だけはしないでなんとかやっていけている。
母子家庭で身寄りのない私が借金できるところなんて、日掛けの怪しい個人金融くらいしかない。そんなところで一万でも借りてしまったら・・・明らかに返済は不可能なのはわかりきっている。どれだけ自分がアホでも、未成年の育ち盛りの娘ふたりを抱えて日々の生活に四苦八苦しているのに、そんな恐ろしいことをする勇気なんぞはない。


中途半端にプライドが高い人だったからなぁ、、、と今は思う。
本当のことは言えなかったんだろうな、と。
図星を指されると切れる人だった。
初対面の私の友人に対してまでも、いきなり攻撃的な言葉を吐きかけるような人だった。

あぁ、元夫と同じだな・・・といつの間にか冷めた目でしか見られなくなっていた。

過去のことで責めるようなことはしないつもりだけど、ほんまもんのプライドがあるのなら潔く本当の事を言って、これからは同じ過ちは繰り返さないから、と言ってくれたら私は素直に信じただろうと思うと少し残念だ。



自分の中に小さなうそを隠し持っていて、常にやましさを抱えているからこそ、彼は他人を信じられなくて、私にいいがかりをつけることで発散させていたのかもしれないなぁ。こんなやましさやうそを抱えて生きていくなんてややこしいことは私にはできそうにもないし、そういう人ともできれば関わりたくない。そこまでして彼と一緒にいたいか?と、自分に問いかけてみると、これだけは「NO!」という明確な答えがいつもあった。




今ならはっきり言える

2008年09月09日

Posted by 茶トラン at 00:01Comments(0)TrackBack(0)覆面母さんの日常
もし、好きな人ができたら、


わたしだったら


自分がやられて嫌なことはしない。

指摘されたら、単純だからその場でやめる。


自分以外の人間を大切に思うということは、そういうことだと思うから。

ベーパームーン

2008年07月15日

Posted by 茶トラン at 00:51Comments(0)TrackBack(0)覆面母さんの日常
私は真昼に輝く太陽より夜の闇に浮かぶ銀色の月がスキ。

明け方、東の空が明るくなる直前の月(有明の月というのでしょか?)



今夜は朧月夜だよ

と、あの人が言った。

そう・・・

とだけ私は答えた・・・。

今夜の月は、どんなふうに見える?

とあの人が言う。

わからない・・・いつもうつむいているから・・・

とつぶやいた。

当時、アルコールに溺れきっていた私の目には、薄くもやがかかった月は
くすんだオレンジ色で、いくつにも割れて滲んで見えた。


足もとに真っ黒いヘドロのぬかるみがあって、自力では抜け出すことなど不可能だと思っていた。


「ここまでおいで。怖くないから^^」


と、柔らかい手を差し出してくれたあの人。


私は檻の中から出たら生きていけないのよ・・・



前方5メートルも視界がない大嵐の夜、私は両手に仔猫をかかえ、着の身着のまま
ガラスの檻をぶち破り、全身血まみれのまま走った。



走って走って、辿り着いた南の島の港についたとき、


真っ青な空と、ペパーミントグリーンの海に思わずくらくらした。










仔猫ねこねこ

2008年07月01日

Posted by 茶トラン at 19:43Comments(3)TrackBack(0)覆面母さんの日常
私は両手に仔猫を抱えて南の島へやってきた。

仔猫を抱えて、右も左もわからず身動きできずにいた。

仔猫たちはまだ、自分で自分のエサを確保する術を知らない。

ずっとガラスの檻の中で暮らしていた私は、初めての外界が怖くてしかたなかった。



常に牙を剥いていた。

仔猫たちを守らねば。
仔猫たちにひもじい思いをさせないように。
仔猫たちにはわたししかいないんだ。



両手にいっぱいの荷物を抱えきれなくなったとき、知らないよそのおとなが助けてくれた。


わたしにとって世間の大人とは、自分に害を及ぼす敵でしかなかったのだが、そうでもない大人もいるのだと初めて知った瞬間だった。



まぁまぁまずその両手いっぱいの荷物を降ろしなさいよ

んで、水飲んでエサ食ってとりあえず今夜は眠りなさいよ

ほらほら、そんな怖い顔ばっかしてるから仔猫たちも怯えてるさ~

明日には明日の風が吹くさ~ね♪



台風の夜、激しい風雨に怯える仔猫たちを両脇に抱え、その小さな寝息を子守唄代わりに

丸くなって気持ち良さそうに眠る仔猫たちの姿を見ながら、生まれて初めて

外敵に怯えずにぐっすり眠った夜。



今でも嵐の夜は、仔猫たちを両脇に抱えてぐっすり眠る。

わたしたちにとって嵐の音は、心地よい子守唄。

嵐が外敵から守ってくれる。



目が覚めると、信じられないくらいに濃い青空が広がっていた。

木の影も、嵐に負けずに踏ん張っていたアカバナも、緑も、ありえないくらいに色が濃い。



くらくらするような南国の空の下、私は外敵から身を守る自分達だけの寝床と餌場を確保した。



生きていける。

檻の中から出ても、親子で生きていける!と、確信した。


小さな餌場兼寝床で、仔猫たちは自分自身の足で外を歩くようになっていった。


今は、仔猫たちが帰ってくるのをただ待っているだけ。

もう両脇に抱えておくことはできない

両手に仔猫を抱えて、世界中の全てに牙を剥いていた私はもういない。